自分で選んだ傘は愛おしい

数ヶ月ほど、傘を探していた。
長い間、薄汚れていて雨漏りもする薄ピンク色の傘を
(それはそれでかわいいやつではあった)
を使っていたが、

よくあることかもしれないが、
街でふと自分のその姿を鏡とかガラスで見かけた時、
なんともその傘のボロちいこと・・・
これはダメだあわ!とか、思ってしまった。

傘はなかなか見つからなかったが、
これでもいいけど、別に。
というやつはたくさんあった。
なんならビニール傘も別にダサくはない。。

でも、その瞬間は突然やってきた。
「あ、これじゃないかな?」
対モノの場合、一目惚れはけっこう叶いやすい。
私はほぼ迷いなく、傘のお気に入りを買うことができた。

むかし、母と買い物に行くと、いつも
「早く選んで」
と言われていた。
私は優柔不断だから・・・と選べなかったり、
もしくは「これでもいいけど、別に」ってやつを
その場を収めたくて選んだりしていた。

長い間、ずっとそんな感じでものを選んでいた気がする。
本当は大概の場合、気に入ってなかったのかもしれない。

私は効率的でない部分もたくさん持ち合わせている。
「あ」とか「きゅん」が、
あのほんの小さな出来事が、
非常に大事。

今日、初めてお気に入りの傘を開いた私は
雨の日もご機嫌になれた。

 

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イラストKIKO

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